ことのは

漂流する10代の子ども達

昨日は、NPO法人虐待防止協会主催の講演会に行ってきました。
タイトルは『漂流する10代の子ども達』
講師はNPO法人BONDプロジェクト代表の橘ジュンさん。

もともと橘さんはルポライターをされていて
東京の夜の街にいる家出少女たちに声をかけて話を聴いてきたそうです。
が、あるとき、「これは話をきいて伝えているだけじゃあだめだ」と思うことがあったそうです。
それで2009年にNPOを立ち上げられました。
今夜居場所がない彼女たちの話を聴き、伝え、そして【つなげる】。
つまり、必要な子ども達は保護して必要なところにつなぐことを始められたのです。

こういう少女たちが使うツールは【SNS】。
ハッシュタグをつけて#助けて#死にたい#神待ち#自殺願望#サポ…
こうやって自分につながってくれる人を探すのですが
BONDではネットパトロールをしてこういう書き込みを見ると
いいねをしたり、メッセージを送ったりするそうです。
LINEの友達登録をしてもらって、そこから一部は相談につながることもあるようです。

彼女たちが求めてメッセージを送ってくるときに即対応する。
(SNSは即、が必要。メールのタイムラグは彼女たちは不安になるよう)
そしてなるべく実際に会うようにするそうです。
会って話をして、一時的に保護して、それでも去って行ってしまう子もいるけれど
追いかけたり束縛したりはしません、なぜなら
そういうやり方は彼女たちが今まで信頼できなかった大人たちがやっていることと同じことだからだと
橘さんは言います。
何かあったらまた連絡してきてね、そういう細く細くつながっていることが
彼女たちの命綱になっているのでしょう。

もちろんBONDのメンバーが実際に会って、そこから保護されて支援につながることもあり
一緒に役所の窓口に行ったりすることもあるそうです。

さて、SNSのおそろしいところは、BONDのようないい人が見つけて救ってくれるのならいいのですが
速攻悪の手が伸びてくることです。
優しい言葉で返したり「好きなだけ泊まってもいい」と言ってきたりする男性が多くいるのです。
そしてなぜだか彼女たちは、その見たこともない男性を一瞬で信頼して
荷物を持って出かけてしまうのです。
身近な人間は信用できないのに、知らない男性は信頼してしまう彼女たち。
そして、そのことがどういうことを意味しているのかを知りません。
性被害にあったり監禁されたり風俗で働かされたり…ということをイメージできないのです。

座間の事件があった時に、橘さんはぞっとしたそうです。
もしかしたらあの9人の中にBONDにSNSでつながっている子達がいるのではないかと心配になり
連絡をとったそうです。
あの事件も、SNSでした。そう、SNSは手軽に使えて簡単に繋がれて
そして知らないうちに事件に巻き込まれたり自分を傷つけるような事態を引き起こす可能性があるのです。

それでBONDでは、元当事者の女の子たちを使って
SNSのメッセージに即レスできるようにしているのだそうです。
彼女たちの気持ちが理解できる元当事者たち。
ただ、彼女たちの闇に一緒に引きずられないように
大人がそのやりとりを見ながら助言しています。

家出少女の多くが家族との関係に悩みを抱えています。
彼女たちの多くが、人との安定し安心できる関係を築くことができません。
苦しい環境から逃げようとして、また別の人間関係で問題を抱えます。
彼女たちは自己肯定感を持つことができません。

きっと彼女たちのまわりにいる大人たちも自己肯定感を持てずに、
安心安全の人とのつながりを持つことができていないのでしょう。

こういう少女たちが増えていくことは
大人たちもまた見えない闇を抱えているということではないかと思いました。

特に搾取する男性たちの存在は
社会問題として考えていかなければいけないのではないでしょうか。
彼らもまた、心の闇を抱えているからです。
搾取する側とされる側
(JKビジネスが成り立つのは、お金を払って店に行く男性がたくさんいるということでしょう?)
両方の視点で考えることが大事かなと思いました。

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# by kotonoha_sinri | 2018-06-17 23:20 | まなび

ドメスティックバイオレンス②

さて、DV被害者についても学びました。

DV被害者がなかなか加害者から逃げることがむずかしいことがあるのですが
それがなぜなのか、ということを学びました。
そこにはいくつかのバリアが存在しています。

①環境のバリア
②家族・社会から期待される役割
③DVの心理的影響
④子ども時代の虐待被害

①~③までのバリアは一般的にみられるものです。

①環境のバリア、とは
経済的な問題、逃げる先がない、こどもがいる(こどもの学校など日常がある)、相談先などの情報がない、など
②家族・社会から期待される役割、とは
離婚してはいけないという考え、女性は男性に合わせるべきという価値観、世間体、など
③DVの心理的影響、とは
自分が悪いという考え、相手に情がうつる、恐怖、無力感、など

そして④子ども時代の虐待被害、というのは
そういう体験をしてきた人は、
暴力が当たり前と思っていたり、もともと安心感を感じることがなかったり、複雑性PTSDの状態にあったりします。

援助者はまずは①の環境面から取り組み、被害者が安全なコミュニティ、資源とつながるようにします。

③、④はこころのケアになりますね。
では、②は??

②の部分は、心理面接という仕事をしながら日々感じていることです。
私は日頃、子育て中の母親達の相談
あるいは休職中、ひきこもりの男性にお会いすることが多いのですが
②の部分は意外と根強いところがあるように感じています。
それが女性も男性も生きにくくしている。

もしかすると、力で相手を支配しようとするDV加害者も
この②の影響を受けているかもしれないなあと感じました。


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# by kotonoha_sinri | 2018-05-14 23:50 | 心理

ドメスティックバイオレンス①

先日、DV(ドメスティックバイオレンス)について学ぶ機会がありました。

DVというのは、以前は家庭内での夫から妻への暴力と捉えられていましたが
今は、妻から夫への暴力だったり
婚姻関係にない内縁関係だったり、
恋愛関係の中でのデートDVなども
DVとされています。

社会的にもいわゆるDV法(正式名称:配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)が制定、改正され
被害者の申し立てにより保護命令、
つまり被害者への接近禁止命令、被害者の子又は親族への接近禁止命令、電話等禁止命令などが出るようになりました。

DVには、”DV神話”というものがあるそうです。
「お酒のせい」とか「ストレスがたまっている」とか「相手の態度・行動が悪い」とか「自分をうまく表現できない」とか。
そんなことを言っていたら、みーんなDV加害者になってしまいます。

DVの本質は
【力と支配】

そして自分には責任がないと思っている、相手が悪いと思っている、ということです。

DVの存在するところには、家庭内にこどもがいれば児童虐待も存在します。
実際に身体的暴力や暴言などがある場合もありますし
面前DVそのものがこどもの心理的虐待として定義されています。
夫婦間での暴言、暴力は、こどもの心に大きな傷を与えます。

DV、虐待、性暴力、
すべて暴力の介在するところには、力と支配が存在するのでしょう。
もっと大きなレベルで言えば
紛争、戦争、などもそうだと思います。

家庭内ではなく、この世の中に力と支配がいかに存在していることか。
この世界の価値観の中に、”力と支配”が当たり前にように存在している。
そして、その犠牲になり心身ともに大きく傷つく多くの人達。

家庭内に存在する暴力について考えるとき、
もっと大きな世界にも目を向けないといけないのではないかと感じました。


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# by kotonoha_sinri | 2018-05-14 23:31 | 心理

マインドフルネス

マインドフルネスというのは、
仏教の瞑想から宗教色を取り除き
「今ここ」「あるがまま」に意識をむけることを目的としています。

ビジネスの世界でも取りいれられていて
かのスティーブ・ジョブズが、重要な局面で
瞑想をしていたことは有名な話です。

心理療法では、認知療法として
マインドフルネスが使われていて
うつ病など精神科領域の治療に取りいれられています。

人間は誰しも「自動思考」がわいてきます。
意識せずとも勝手に何やら考えています。
それ自体はおかしなことではありません。しかし
先の不安なことについてぐるぐると考え続けてしんどくなったり
過去の後悔をずっと考え続けて自己嫌悪に陥ってしまったり
そういうときに、「今ここ」に意識をむけて「自動思考」をストップします。

私自身はマインドフルネスのグループセラピーに参加して
呼吸法、ボディスキャンや体を動かすワークなどを体験しました。
マインドフルネスは「五感」や「自分の内なる感覚」に意識をむけていくことだと理解しています。

しかし、マインドフルネスを中断したり、「向かない」とあきらめてしまう人が
割とおられるのではないかなあと感じています。

自動思考をとめられずに「今ここ」に集中できなくて
「できない」と思うのですね。

しかし、それは違うと思います。なぜなら、私達がマインドフルネスを実践するのは
「今ここ」の自分に気づくためであって
仏教僧のように瞑想したり、無になることではないからです。
そこを勘違いされて「自分にはできない」と思われる方がおられます。

もし「今日の自分は、いつもより雑念がわいてきて、”今ここ”に集中しにくいぞ」と感じたなら
それが”今ここの自分のあるがまま”に気づいている、ということなのです。
「自分は集中しにくいから駄目だ、自分はできない」
これは”今ここ”にマインドフルな状態ではありません。
それは自分の思考、価値観、判断が入っており
純粋な”今ここ”ではありません。

”今ここ”の感覚に意識するようになっていくと
「あれ、今日の自分の肩はいつもよりかたいように感じるぞ」と
今ここの自分の状態に気づいていくことになります。

また、自分の感情に対しても気づくようになります。
「あ、また私、怒っている。いつもと同じパターンだな」とか。

そうやって今ここの自分に対して気づいていくことで
生きやすくなります。今まで無意識だったことに対して
客観視できていくわけですね。
また、集中力が養われます←ビジネスに使われる目的はこちらでしょうか。

マインドフルになるやり方は人それぞれだと思います。
心地よい自然の中で、五感を使ってたくさん感じることもできるでしょう。
向いていない、とやめてしまわずに
楽しく感じながら実践してみてください。




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# by kotonoha_sinri | 2018-05-14 00:18 | 心理

「心理学でわかる悩み方の知恵」

講演会の案内をいただきました。

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興味のある方、申し込みはこちらに↓


去年、ことのははカウンセリングサポートナウさんでコラージュ体験会をさせていただきました↓


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# by kotonoha_sinri | 2018-05-10 23:29 | まなび

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